いちにちいちにちざっかん

一日一個思ったことを書きたかった成れの果て。

Revoというアーティストの特性とそのプロモーション

以下のツイートを先日した。

最近音楽って、楽曲単位だと売れてない。
いまやiTuneですら売上が下がっているぐらい音楽配信は下火。みんな音楽買わない。
それなのに紅蓮の弓矢はTV Sizeバージョンでありながらそこそこ売れた。 何故か。そこにはSoundHorizon(サンホラ)の根強いファンがいたからだと思う。
そんな話をロングバージョンで。

SoundHorizonとLinkedHorizon

SoundHorizonは移動国家とし、SHのファンは「国民(ローラン)」として位置づけられている。
そのため、ファングッズの売り場は「宮内庁」と呼ばれるし またグッズを買うことを「お布施」という人もいるぐらいだ。

そういう世界観を構築して、アシストしたのは間違いなくRevoさん本人だけど
それに乗っかってきたのは間違いなくファン自身だし、その世界観を好きな人も多い。
それだけRevoさんの音楽と世界観は多くの人から好まれているし、受け入れられているということだと思う。

SoundHorizonとして好きな人もたくさんいるし、世界観が好きだから聴いてる人もいる。 ただそれがきっかけなだけであってRevoさんの作り出す音楽に惚れて、Revoの音楽が好きっていう層も多い(と思っている)。 そこをうまく巻きとったのがLinkedHorizonだと思う。

LinkedHorizonというものの立ち位置

LinkedHorizon(リンホラ)はもともと以下の様な立ち位置だ

作詞・作曲・編曲の全てを手がけるサウンドクリエーターRevoが、他作品とのコラボレーションで音楽活動をする際のユニット名。 Revo自らが作り出すオリジナルストーリーを組曲形式で表現する従来の Sound Horizonとは異なり、他作品とコラボ(リンク)することによりRevoがその世界を音楽で描いていく、それがLinked Horizonである。

まぁRevo+他作品という名義。
逆を言うと、サンホラの世界観部分を破棄したものがリンホラであるとも考えられる。

サンホラの世界観は好きな人もいるが、その世界観の独特さから敬遠する人も多いのも事実である。
そのため、それをうまく取り除いて、Revoの音楽性を抽出したのがリンホラなんじゃないかなと思っている。

これ、よくよく考えるとRevoが他の作品の音楽を手がけるという観点ではみんなが得をする。
何が得かと言うと

  1. サンホラ名義じゃないから、サンホラの世界観を尊重しなくていい
  2. サンホラ名義じゃないから、コラボ作品の世界観を存分に取り入れていい
  3. サンホラ名義じゃないから、売り方も割とコラボ作品主導で構わない

サンホラ名義で「少年は剣を」とか作ったけど、あれもサンホラに寄らせるべきかコラボ(タイアップ)作品によらせるべきか難しかったんじゃないかなぁと思う。そういう意味では存分にコラボ作品を意識して音楽を作れるリンホラは凄いやりやすいんじゃないかなと思う。

喉が渇いたローラン達

ただリンホラの活動を活発に行われると、それだけサンホラの活動は縮小する。
そこで新曲を待ち続けるコアなファン、ローラン達はリンホラで飢えを凌ぐわけである。
「いつもの世界観が用意されているわけではないが、Revoさんが作り出している音楽であることは間違いないので買うか…」という心理は働くのである。

それを如実に示したのはリンホラ第一弾「ブレイブリーデフォルト フライングフェアリー」である。

ゲームの音楽を全てRevoという立ち位置で行われたのだが、劇中BGMに歌を乗せたボーカルヴァージョンを制作し、凄い批判があるわけでもなく受け入れられ、まずまずの評価(だったように見えた) 。
CDの発売後、ボーカルバージョン含めたコンサートライブを行い、横浜アリーナの2回席までを昼夜公演埋めたので公演の客入りもまずまずだったと思う。

そこで垣間見えたのは「ゲームはよく知らんけどRevoだし聴く」「Revoさんが作曲してるならゲーム買う」のような意見だった。
これは「世界観を盛りこまなくてもある程度はみんな聴いてくれる、買ってくれる」ということのある程度の証明になったのではないかと思った。

さらにブレイブリーデフォルトは普通にゲームとしての評価が高く、3DSでは久しぶりのヒット作ともなった。
普通にゲームをプレイした層からも音楽に関してはまずまずの評価で、一般の方のウケもよかったように見受けられた。

それを要点かいつまむと以下の感じ。

進撃の巨人と渦

それを知ってか知らずか、「進撃の巨人」という大人気コミックのアニメ化が主題歌リンホラとなる。 ブームというのは小さい取り巻きが騒ぎ始めて、周りがなんだなんだと気にしていくことで大きな取り巻きができあがっていくという現象のことだと思っている。
そこで以下の話になる。

リンホラの時に、サンホラでなくても音楽的にはファン以外にも受け入れてもらえることは実証済みだったので、初速で話題性さえ作ってしまえばある程度は大きな渦をつくることは確信できていたのかもしれない。

欲を出しすぎた売り方

話題性も作り、初速もあがり、ミニマム版のTvSizeも好調。
そこで欲が出たのか、こんなことをやる。

アニメ「進撃の巨人」後期OPテーマ/EDテーマ決定―OP曲は着うた先行公開 | おたくま経済新聞 http://otakei.otakuma.net/archives/2013060705.html

このスマホ隆盛のご時世に着うた先行、しかもサビの切り出しショート。
ちょっとこれは…と思ったのが今回の記事を書こうと思った発端である。

ファンの特性もわかってて、音楽そのものが売れないご時世だから頑張って売りたいというのはわかるのだが、これではファンが体力切らすし、変に不信感を抱くかもしれない。
そこらへんは考えてやってほしいな。と思う。

ここから見える「楽曲」の売り方。

ちょっと最初の方に触れたが、現在楽曲を買う人がものすごく減る傾向にある。
色々理由はあるのだとは思うのだけれども、それぞれが混ざり合って曲にお金を出す、という価値観が崩壊してきているのかもしれない。
となれば楽曲に頼らず稼ぐ、というのがライブ主導での売り方だとは思うのだけれども
今回の件に関してはコラボをするということでお互いの持ち味を活かす売り方をしたように思えた。
ただ、今回はよくある「タイアップ企画」とは逆という風に思えた。 普通であれば

  1. タイアップ元のドラマが注目される
  2. ドラマで気になった人が楽曲を聴いて売上初速アップ
  3. 初速アップで話題性ゲット、さらなる売上げアップ

であるところがちょっと違う展開だったので、ファン心理をうまく使えば変わるのかなぁとも思った次第でした。
もっと書きたいことはあるが息切れなので機会があればまた。